科学の教室@ “大阪大学いちょう祭で大学・研究室を見学 〜大学、研究の世界に触れる!〜
 
 2017年4月30日(日) /大阪大学(吹田キャンパス・豊中キャンパス)
 
 一学期がスタートしてちょうど3週間が経った4月30日(日)。今年度の『科学の教室』の最初の企画として大阪大学いちょう祭の見学に行きました。朝7時に学校を出発した大型バスは、1年生32名と2年生19名の計51名の生徒を乗せて10時前に大阪大学の吹田キャンパスに到着しました。広大で緑豊かな吹田キャンパスには、工学部、医学部、薬学部等の学部と、産業科学研究所、微生物病研究所などの研究所があります。パンフレットを片手に関心のある研究所や研究室を探しながら、約2時間半の間自由に見学しました。12時半にバスで吹田キャンパスを出発し豊中キャンパスに移動。ここでは理学部と基礎工学部、サイバーメディアセンターなどの大学施設等を約2時間半の間自由に見学しました。研究所や研究室では、学生さんたちの丁寧な説明を聞きながら、実験装置を見学したり実験をさせていただきました。中には学生さんから大学生活の話や勉強のアドバイスをしていただいた生徒もありました。大学という世界と、そこで行われている学問・研究に触れることで、これからの高校生活への意欲を高めるよい機会になりました。
 
 
 
 
 吹田キャンパスのほぼ中央にある産業科学研究所の前でバスを降車。参加した生徒全員で集合写真を撮りました。    生徒達は事前に配布した資料で見学する所を決めています。簡単な打合せの後、生徒たちは方々に散っていきました。 
     
 
 工学部の展示『電磁気おもしろワールド』。これは2つの空き缶を通って滴り落ちる水滴によって電気が発生する装置です。    産業科学研究所の展示『最新のバイオの世界』。酵素タンパク質を結晶化してから分析し分子構造を決定します。
     
 
 工学部の加速器実験棟。実験棟の中の巨大な装置は中性子を発生させ、がん治療など医療への応用を研究しています。    工学部のレーザーを使った医療の研究。波長の異なる2種類のレーザーを鶏肉に照射し組織を破壊する体験をしました。
     
 
 吹田キャンパスを出発し豊中キャンパスへ移動。バスを降りるとすぐに自由行動。大学祭のメイン会場で賑わっています。    天気も良いこともあり、テンション高めの峰高生たち。
     
 
 基礎工学部の研究室で説明を聞く峰高生。ポスターのタイトルは『プラスチックが金属?』。    基礎工学部の研究室の実験装置。冷却した白い板に手を押し付けると電気が流れます。温度差で発電する材料です。
 理学部生物学科の展示『生物科学で活躍する生き物たち』。峰高生が見ている水生生物の正体は・・・。  カイメン(海綿)です。カイメンは原始的な多細胞動物で、発生の研究などで実験動物として利用されています。
 理学研究科の展示『室温の氷』。顕微鏡の下の容器内の水には高い圧力がかかっています。顕微鏡を覗くと・・・。  高い圧力によってできた氷の結晶です。圧力を下げると融けて小さくなり、圧力を上げると結晶が成長し大きくなります。
 
 
  参加者の感想
 私が一番印象に残っているのは、吹田キャンパスで訪れた産業科学研究所の「分子の世界で遊んでみよう」という所です。そこでは同じ分子なのに匂いが違う物質があって、それはなぜかという説明を聞きました。話はとても難しくてあまり理解することはできなかったけど、学生さんたちが日々研究していることは、私たちの生活にとても役立っていることが分かりました。質問にも答えて下さり有意義な時間を過ごすことができました。この研究所だけでなく、私が行ったところの学生さんはみんな自分の研究に誇りを持っていました。私はきっと研究とかの道には進まないと思うけど、一つの目標に向かって努力することの大切さを学んだので、高校3年間で活かしていきたいと思いました。(1年・女子)

 大阪大学英語スピーチコンテストを見ました。「地域に生き地域に育つ」というテーマで学生方が大勢の英語のプロフェッショナルな方々の前で自分で言葉を組み立て、全て英語でスピーチをされていました。スピーチの後には質問コーナーもあり、もちろん全て英語で行われていました。単語は分かるけど内容を理解できなかったけれど、学生の方からにじみ出る情熱が伝わってきました。学生の方がジョークを言い、周りの方が笑っているのを見て理解ができずただ茫然としている私は、「ちゃんと英語を勉強しよう」と思いました。また、世界と関わるには英語が不可欠だと改めて気づかされました。また、ある部屋で行われている発展途上国の雑貨屋さんがあり、そのお金はその国への寄付に使われるらしく私も寄付しました。ここでも世界の繋がりを感じられました。・・・。私はどこの大学に行くかは明確には決まっていないけれど、今日の一日で少し自分のキャンパスライフが想像できた気がします。今日思った事、感じたことを無駄にせず、日々の生活に活かしていきたいです。(1年・女子)

  いちょう祭での様々な体験はどれも驚きに満ちあふれていました。ですが僕はこれらの機械、科学の力よりもそれを作った大学生の方々に感動と驚きを覚えました。僕とそう年も変わらない人がこんなすごいものを作っているという現実に心を打たれました。これから僕も年を取り体も大きくなっていきます。ですがただ年を取るのでは意味がないのでしょう。その成長の過程をどのように過ごすか、それが一番大切な事なんだといちょう祭に参加してそう思いました。(1年・男子)

  私は科学が苦手で、いちょう祭での話も難しい事ばかりだろうと思っていましたが、どの学部も工夫があったので楽しみながら学ぶことができました。吹田キャンパスで印象に残っているのは歯学部です。とくに歯学部の歴史を学べる部屋では、人が少なかったために大学の関係者と思われる方が二人、私たちのグループのために話をしてくださいました。歯学部設立の話や自身の体験談など、直接会わなければ聞けないような話を聞けて良かったです。将来に向けてのアドバイスもしてくださいました。(1年・女子)

  吹田キャンパスでは電磁気についての講座に参加した。電気と磁石と金属での現象についていろいろ知ることができた。電気や磁石を使ったり金属を変えたりすることで不思議なことが起きた。教授の話を聞いて研究するうえで大切な事は、「不思議だと思って興味を持つこと」だということを知った。役に立つものもあれば役に立つかどうか分からないものもあるが、それを作るための最初の一歩は「すごく面白い!」と感動し興味を持つところからだと思った。・・・。今回の科学の教室で初めて大学に行って、実際に体験もして、大学は一人一人が自分の研究したいことを熱心にやることができる場所だと感じた。(1年・男子)

  大学での研究や勉強していることに、こんなに近くで触れるのは初めてでとても多くの事を学ぶことができました。最初に行った放射線などについての研究室では、ミューオンを作り出す装置を見たり、原子や粒子についていろいろな説明を聞きました。難しい説明ばかりで何を言っているのか分からなかったけど、とても一生懸命に私たちに教えてくださいました。大学では難しい研究をしていることがよく分かりました。2番目に行った電磁気おもしろワールドでは、電池や磁石など、身近にあるものが不思議な動きや働きをして、なぜそうなるかを考えながら実験をすることができてとても楽しかったです。分からないこともあったけど、電磁気によって面白い動きをして、自分の手でそれを感じることができたので、とても良い勉強になり良い経験となりました。3番目に行ったVRARゲーム体験では、まるで未来の世界に来ている気分でした。眼鏡をかけるだけで何もないところに映像が3Dで映し出され、指で空中に操作をするだけでインターネットのページを開き、そのページを移動させてまたページを開いたりと、本当にアニメの世界のようでした。こんなにも技術が進んでいることにとても驚きました。大学ではいろいろな研究がされていて、最先端の技術に触れることができて、とても良い刺激となりました。そして大阪大学の学生さんたちはとても楽しそうに話しをされていて、私も自分の好きな事を研究したいと思いました。(1年・女子)

  昨年も参加してとても面白かったので今年も参加させて頂きました。今年は昨年よりは自分の興味ある学部が分かってきたし、下調べをしっかりして参加できたので良かったです。大学生は自分の好きな事に打ち込める楽しさが伝わってきてキラキラして見えました。いろいろな説明やパフォーマンスを見ながら「この大学に入るためにどれだけの努力をしてきたんだろう」とか、「今、こんなに楽しそうに見えるけど、普段のキャンパスライフは苦しいものなのかな」とかいろいろな疑問が浮かびました。相変わらず広すぎて驚くことばかりで、歩いてばっかりでとても疲れたけど楽しかったです。まだ自分の進路も明確に決まっていないけど、実際の大学生に触れ合える貴重な機会を提供して頂いてとても良かったです。これを吸収して自分の進路実現の材料にしていきます。(2年・女子)

  今回いちょう祭に参加した理由は二つあります。一つは友達に誘われたから、もう一つは自分はまだ進学して何がしたいか決まっていないから、少しでも参考になればいいなと思ったからです。なぜ大学に行きたいのか、そこで何がしたいのか、それは将来役に立つことなのか、ゆっくり考えていく上で今回の参加を少しでも活用出来たらいいな、と思っています。私がいちょう祭で興味を持ったことは二つあります。第一に吹田キャンパスで体験した化粧品についてです。香料を中心としたお話をしていただき、普段は当たり前のように使っている製品にも、リラックス効果や自分の魅力を高めること、製品の元の臭いを抑えるなど、いろいろな役割があることに驚きました。個人的にはフローラルの香りより石鹸の香りの方が落ち着きがあって好きでしたが、一緒に行っていた友達はフローラルの香りやフルーツの香りの方を好んでおり、人それぞれに自分にしっくりくる香りは違うところに魅力を感じました。第二に、豊中キャンパスで見学した宇宙についてです。その中でもとくに室温の氷というのに興味がわきました。氷には現在見つかっているもので14種類あるそうで、温度を下げるだけでなく圧力を上げることでも氷を作ることができることが分かりとても面白かったです。また温度を下げて作った氷と、圧力を上げて作った氷では分子の配置が違うところに驚きました。そのため温度を下げて作った氷は水に浮くけれど、圧力を上げて作った氷は水に浮かないという性質の違いも見られました。お話を伺っていた中で、一か月で数学の偏差値を40から70に上げたという方に出会いました。一日10時間ほど数学ばかり勉強していたそうです。私もやれば今からでも遅くないのかもしれないと思いました。キャンパスにはいろんな人がいて、誰もが生き生きしていてうらやましく思いました。この経験をヒントにして素敵な大学生活が築けるようにしたいです。(2年・女子)